▼鵜殿のヨシ原と新名神高速道路

【INDEX】

◆鵜殿のヨシ原
◆新名神高速道路
◆SAVE THE 鵜殿ヨシ原が求める「見直し」
◆ヨシ(葦)
◆ヨシ原焼き

※項目を随時追加しています!

◆鵜殿のヨシ原 

大阪府高槻市の淀川右岸河川敷に広がるヨシ(=葦)の群生地は、一般に「鵜殿のヨシ原」と呼ばれています。

ここは、良質な篳篥用のヨシが採取できる唯一の地域であり、雅楽にとってとても大切な場所です。

 

面積75ha(甲子園球場の18倍)、長さ約2.5km、最大幅約400mのこの地域は、絶滅危惧種を含む動植物や野鳥の貴重な生息地でもあり、「鵜殿のヨシ原」の名は、「大阪みどりの百選」「関西自然に親しむ風景100選」のリストにも載っています。

なお、河川敷は公共用物であり、管理者は国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所です。

鵜殿のヨシ原の位置関係
鵜殿のヨシ原の位置関係

 

最寄の阪急京都線「上牧駅」からヨシ原までは、徒歩15分ほどです。

「鵜殿のヨシ原」は、左の図のように、大阪府高槻市の上牧町・道鵜町の両町に広がっています。

◆新名神高速道路 

新名神高速道路は、愛知県名古屋市を起点に、三重・滋賀・京都・大阪をつなぎ、兵庫県神戸市に至るとされています。

このうち、「京都府八幡市~大阪府高槻市」区間は、2012年4月20日に凍結解除となり、着工が決定しました。(当時国土交通大臣:前田武志氏)

「京都府八幡市~大阪府高槻市」は、2024年(平成36年)3月に完成する予定とされています。

 

左図は、鵜殿のヨシ原、淀川、ヨシ原への取水口、高速道路建設予定場所の位置関係を表しています。最も良質なヨシが取れる淀川からの取水口の近辺に高速道路の建設が予定されていることで、ヨシの品質保持、あるいは存続そのものに問題が生じることが予想されています。

道路の建設を行うNEXCO西日本により、「新名神高速道路 鵜殿ヨシ原の環境保全に関する検討会」が設立され、2013年1月10日に1回目の検討会が開催されました。検討会は、年に2回程度開催されることとなっています。

調査を行うだけでは、篳篥用ヨシの保全にはつながりません。

現在、ヨシを確実に残す方法は見つかっていませんが、ヨシを確実に維持する方法を見つけ、実施することが必要です。

 

◆SAVE THE 鵜殿ヨシ原が求める「見直し」

「SAVE THE 鵜殿ヨシ原」が求める、新名神高速道路計画の「見直し」の内容をご紹介します。

 

1.ルートの見直し
新名神高速道路が、鵜殿のヨシ原に影響を与えないルートを通ることで、篳篥用ヨシが守られます。

 

2.保全の調査、対策の見直し(改善)

新名神高速道路は、平成35年度の完成が予定されており、NEXCO西日本のスケジュールによると、開通以降は「モニタリング」のみが行われることとなっています。
開通以降も、鵜殿のヨシの保全対策を行う必要があります。
事前に年限を区切るのではなく、成果が上がるまで継続することで、篳篥用ヨシが保全されるための結論を導き出すことができます。


3.建設予算の見直し

予算配分の見直しを行い、篳篥用ヨシ保全のために、調査費・対策費等に十分な予算をあてることが必要です。

 

4.道路設計や工事方法の見直し
篳篥用ヨシの育つ「鵜殿のヨシ原」の環境に変化を与えない道路設計や工事方法とすることが必要です。
これらが見直され、篳篥用ヨシの保全を考慮した方法と取ることで、篳篥用ヨシを守ることができます。

 

 

▼ヨシ(葦)

イネ科・ヨシ属で、湖岸や河川などの湿地帯に生育する背の高い多年草で、種子と地下茎(ちかけい)※によって増えていきます。

葦は「アシ」とも「ヨシ」とも読みます。「アシ」が「悪し」に通じるため(忌み言葉)、反対の「善し」と呼ばれるようになり、やがて定着しました。植物学では「ヨシ」を採用しています。

ヨシは、雅楽器の篳篥の蘆舌(ろぜつ=リード)の材料で、短く切ったヨシの茎の片方を熱しながら端をつぶし、小刀で薄く削って作ります。

 

※地下茎:地中に埋もれる性質を持つ茎のこと。基本の構造は地上の茎と同じです。

 

◆ヨシ原焼き

毎年2月頃、「ヨシ原焼き」が行われ、初春の恒例行事となっています。

 

ヨシ原は、水辺の草原であり、ヨシ原焼きを行うことで、水辺の草原の自然環境が守られます。

刈り取りや野焼きを行うことで、カナムグラなどのつる性植物や、ヤナギなどの低木が増えることを抑え、ヨシが育つ環境を維持しています。

ヨシ原焼きは、害虫や、つる性植物の駆除の効果もあります。

その他、枯草を焼き払うことで、不慮の火災を防ぐ役目も果たしています。

野焼き後は焼け野原となり、枯草や枯れ葉が少なくなります。

地表面に陽光があたりやすくなり、ヨシの芽生えや早春のこの環境を好む絶滅危惧植物(ノウルシ、トネハナヤスリなど)の成長を促します。

 

また、焼いた後には灰が地面に残り、それはヨシの栄養となります。
現在行われているヨシ原焼きは、事前に火入れ場所全域ですべての草をチップ状に粉砕して、飛ぶ灰の量を抑えています。

 

篳篥用のヨシを刈る方の中には、チップ化せずにヨシ原焼きを行っていた頃の方が、炎の力が強く、雑草や害虫の繁殖を抑えることができて、そして、灰の量が増えて養分も多かったので、ヨシがよく育っていた、とおっしゃる方もいらっしゃいます。

ヨシ原焼きは、地元の「鵜殿のヨシ原保存会」と「上牧実行組合」の方々に高槻市などの関係機関が協力して実施してくださっています。

ヨシ原焼きの予定日の天気が悪いときには延期されますが、延期日も天気に恵まれなければ、その年はヨシ原焼きが行われません。

近年では、1998年、2006年、2012年にヨシ原焼きが実施されず、ヨシ原焼きを実施できなかった年は、ヨシが十分に育たず、ヨシにつく虫の繁殖を抑えることもできずに茎が痛み、篳篥に適したヨシは非常に少なくなると、「鵜殿のヨシ原保存会」や「上牧実行組合」の方々はおっしゃっています。


このように、ヨシ原焼きを行うことで、ヨシ原は守られており、継続して行っていくことが必要です。

 

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