▼雅楽

千年以上の歴史を持つ雅楽は、日本の芸能の源流であり、現存する世界最古の総合芸術とも言われ、文化的価値の高いものです。
雅楽は現在も宮中・神社・仏閣等の祭祀において不可欠であり、また高度な芸術性を備えた芸能として劇場等でも実演されています。

 

 

◆重要無形文化財
宮内庁式部職楽部の演奏する雅楽は、1955年に重要無形文化財に総合認定されています。
※重要無形文化財とは、日本において、日本の文化財保護法に基づいて、文部科学大臣によって指定された、無形文化財のことです。

 

◆ユネスコ無形文化遺産
宮内庁式部職楽部の演奏する雅楽は、2009年にユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載決議がなされました。これにより、今後伝承されていくべき日本の伝統文化として、日本のみならず国際的にも認知され、歴史的・芸術的にも世界的価値を有することとなりました。日本は国際条約を締結し、保護の為に必要な措置をとることが課せられています。
※無形文化遺産の保護に関する条約(無形文化遺産保護条約)は、2003年のユネスコ総会において採択されました。日本は2004年に世界3番目に締結しており、2012年現在136カ国が締約しています。
この条約は、締約国に対して、国内の無形文化遺産を特定し、目録を作成することを求め、ユネスコにおいて「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表(代表一覧表)」及び「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧表(緊急保護一覧表)」を作成することなどを定めています。

 

◆篳篥(ひちりき)

雅楽の主旋律を担う楽器です。
篳篥の蘆舌(ろぜつ=リードのこと)は、短く切ったヨシの茎の片方を熱しながら端をつぶし、小刀で薄く削って作ります。この蘆舌によって、篳篥の音色が決まります。 

        篳篥
        篳篥
    蘆舌の作成工程
    蘆舌の作成工程